イチ*コイ







 結局、クラスの奴等も協力してくれたにも関わらず

 俺らの関係は、何も変わらなくて。

 季節は完全に、冬になっていた。







―――――







 気付けば、もう12月上旬。

 期末は何とかクリアして、赤点はなかった。

 美華とほとんど喋らなくなって、もう3ヶ月経ったんだよな。

 はあ…と重いため息を吐く俺。

 なのに、こいつは…


「俺卓球にすんの。
 美華ちゃんと一緒〜♪」


 うっぜ。


「は…卓球とか、」


 だせっ。

 …って、卓球部の奴等に殺されるか。

 卓球…なぁ。

 俺卓球とか似合わねぇんだよな。


「斗真はバスケかサッカーにすれば?」

「は、何で?」

「美華ちゃん好きらしいから。
 応援行くんだってさー」


 バスケかサッカー。

 なら出来るし、大丈夫か。


「フフ、やっぱ美華ちゃんのこと本気なんだ」

「当たり前だろ」

「そっか、うん…良かった」


 じゃなきゃ誰がこんなに悩むかって。

 今まで大して苦労してこなかったからか、どうすればいいのかわかんねぇ。



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