イチ*コイ
「斗真っ」
向かってきたボールを受け止める。
オフェンスにまわる。
やっぱディフェンスは性に合わねぇ。
何が草食系男子だ。
俺はぜってぇそんな風にはならない。
押してダメならさらに押せ、だ。
終わりが見えなくってもいい。
いくらその道のりが遠くて、キツくて、暗くたって
俺は走り続けてやる。
遠慮するなんて気持ち悪ぃし。
俺は俺らしく、だ。
自分のしたいようにしてやる。
「フ…ッ」
俺が放ったボールは
綺麗な弧を描いて
リングに吸い込まれていった。