イチ*コイ



 けど、出逢った頃から何も変わらない。

 それは、いつまで経っても変わらないモノ。


「お前が好きだ。
 …死にそうなくらい、お前のこと想ってる」


 ついに言ってしまった俺の気持ち。

 本当はもっとムードがあるところで…なんて、思ってたけど。

 伝えたい、って思ったときに伝えればいいんだよな?

 美華への想いが抑えきれなくて胸が痛い。

 けど、さ…

 張り裂けそうなこの痛みで死ぬくらいなら

 ダサくったっていい

 カッコ悪くったっていい

 ただお前が、美華が好きなんだ。

 伝えたくて、仕方ないんだ。


「斗真くん……」


 静かに、大きな目から涙が零れた。

 そっと顔を寄せる。

 その目に引き寄せられた。

 美華の目はいつでも真っ直ぐで

 ひねくれた俺だって、真っ直ぐになれるんだ。


「お、…斗真!」


 ズルッとコントみたいに身体が滑った。

 何だこのオチ…!

 今すっげぇムードよくなかったか!?

 美華も目ぇ瞑ってたし!

 あと数センチだったのに…!

 しかも相手が相手だからシバけねぇし!



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