イチ*コイ



「……ケイさん」


 バイト先の自称見習いバーテンダー。

 明るすぎる髪に整いすぎた顔立ち。

 金髪に近い髪はカッコよくセットされてて、今日も決まってる。

 …昼間に会うとは思わなかった。


「何だ、女連れかよ」


 そう言ってニヤニヤ笑うとこも無駄にかっけーし。

 って、ケイさん見たらさすがの美華も惚れるんじゃ…!

 焦って美華を背中に隠す。


「っわ…!」

「黙っとけっ」

「隠したくなるくらいイイ女なのかよ?
 ちょっとくらい見せろって」


 無理矢理俺の肩を掴んで覗き込もうとするケイさん。

 これだけは負けらんねぇ…!

 5センチばかり高いケイさんを睨む。


「もしかしてお前がまじで惚れたっつー子?」

「そうっすけど何か?」

「更に見たくなるじゃねぇか」


 ドSだ…!

 にやりと妖しく笑うケイさん。

 女共曰くドSの笑み。

 これのどこにときめくんだよ…!

 嫌な予感しかしねぇじゃねぇかっ!

 左手で頭を、右手で腰を俺の背中に押し付ける。


「ぃた…っ」



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