イチ*コイ



「あの…下着見えそうです…」

「何言ってんの?
 この、見えそうで見えない角度がいいんじゃない。
 ほら、あなたもやってみなさい」

「いやいや…お姉さんみたいな美脚ならまだしも、私の脚じゃ見た人の目が腐ります」

「確かに今のあなたの脚じゃあね」


 あ、美華に言葉の槍が刺さった。

 500のダメージくらい?

 姉貴容赦ねぇからなぁ…。

 言ってることは確かなんだけど。

 まぁ多分これは美華で遊んでんだろう。

 口笑ってねぇけど目笑ってるし。


「まぁそれは後でいいわ。
 まず、ストレッチの仕方ね」


 そこまで言って、俺を横目で見てくる。

 パシリにすんのいい加減やめろって…。

 なんて、言えねぇけど。


「何だよ?」

「あんたのスウェット貸してやんなさい。
 制服じゃやりにくいから」

「あー、はいはい」


 姉貴直々に教えんのね…。

 珍しい。

 昔の自分でも見てるつもりなんだろうか。


「これでいいか?」

「あ、ありがと…大森くん」

「いや、いいけど」



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