イチ*コイ
「ぐすっ…あ、あたしも…っ…斗真くんのこと、好きぃ…っ!」
「っ…美華、」
肩を掴んで身体を引き離した。
俺を見つめる真っ赤な顔。
潤んだ目が真実だと伝えてきた。
「っ…好き」
「……俺も」
柔らかな頬をそっと包む。
至近距離で顔を止めて、微笑んだ。
なんだろう…胸の奥が熱い。
それでいてぽかぽかしていて…ああ、これが幸せなんだ。
美華も微笑み返してきた。
涙を拭って、顔を近付けた。
柔らかくて暖かい、美華の唇。
そう言えば前に無理矢理キスしたんだっけ。
謝っとかねぇとな…なんて思ったけど、今はこの幸せに浸っていたい。
可愛らしくちゅっと音を立てて唇を離す。
見たら真っ赤な美華の顔。
やば…可愛すぎる。
襲っちゃ…だめだよな、うん。
大事にしたいし。
「斗真くん…」
けどとろんとした目の美華はやばい。
とりあえず訂正しとくか。
「斗真、…くんはいらねぇよ。
彼女、なんだから」
何か自分で言ってて照れた。