イチ*コイ



 姉貴はいつの間にか自分もスウェットを穿いていた。

 そして、足首をポキポキ鳴らす。


「まず、足痩せのヤツね。
 仰向けに寝て、壁に脚を立て掛ける。
 この時脚は90度から100度ね。
 これを10分から20分」

「は、はぃ…」


 必死にメモをとる美華。

 いやいや…メモってたらスウェット貸した意味ねぇだろ…。


「メモなんていいから、やる!」

「はいぃ!」

「これが1つ目。
 2つ目は、この状態で足を開く。
 これを15回」

「はい!」


 そしてほんとに15回やる。

 やり終わったあと、美華は息が上がっていた。


「な、何気にキツい…」

「当たり前でしょ。
 はい、次。立って」

「はい…!」


 何か姉貴のほうがノってるし。

 まぁ今はこんなことしてねぇしな。


「肩幅より広く足を開いて、左足は45度に。
 右足は真横に向ける。
 それで腰を低くする。
 偏らないようにね」

「はい。あ、何回くらいやるんですか?」

「ん、…15回くらいね。
 そうそう、アキレス腱伸ばすみたいな形ね」



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