イチ*コイ
美華をつけていけば、裏庭に着いた。
そして美華と対峙する5人の女。
…やっぱ呼び出しだったか。
「どうすんだよ斗真…」
「黙ってろ」
「ってオイ!」
じっと美華を見る。
あいつは他の女とは違う。
だから今すぐ助けたりはしない。
…タイミングを図るんだ。
美華にとって、何がベストなのかをよく考えて。
「よく来たねー?
来るとは思ってなかったけど」
「よくその顔で来れたよね?アハハッ」
「……」
お前らの顔のほうが醜いっつーの。
美華の顔もそこまでいいわけじゃねぇけど。
「ほんとさ…調子に乗んなよ」
「それで斗真と付き合うとか…なめてんの?」
俯いていく美華。
…やっぱきついか…?
「斗真はみんなのモノなんだよ!
勘違いすんなブスッ!」
「……」
俯いていて美華の顔は見えない。
俺のせい…だよな。
「やべぇって…助けなきゃっ」
「待てよ」
そう言って出ていこうとする廉を押さえた。
力じゃ俺のほうが上だし。
廉なんか片手で押さえられる。