イチ*コイ



 美華をつけていけば、裏庭に着いた。

 そして美華と対峙する5人の女。

 …やっぱ呼び出しだったか。


「どうすんだよ斗真…」

「黙ってろ」

「ってオイ!」


 じっと美華を見る。

 あいつは他の女とは違う。

 だから今すぐ助けたりはしない。

 …タイミングを図るんだ。

 美華にとって、何がベストなのかをよく考えて。


「よく来たねー?
 来るとは思ってなかったけど」

「よくその顔で来れたよね?アハハッ」

「……」


 お前らの顔のほうが醜いっつーの。

 美華の顔もそこまでいいわけじゃねぇけど。


「ほんとさ…調子に乗んなよ」

「それで斗真と付き合うとか…なめてんの?」


 俯いていく美華。

 …やっぱきついか…?


「斗真はみんなのモノなんだよ!
 勘違いすんなブスッ!」

「……」


 俯いていて美華の顔は見えない。

 俺のせい…だよな。


「やべぇって…助けなきゃっ」

「待てよ」


 そう言って出ていこうとする廉を押さえた。

 力じゃ俺のほうが上だし。

 廉なんか片手で押さえられる。



< 178 / 238 >

この作品をシェア

pagetop