イチ*コイ



 つーか…誰?

 同じクラスか?

 それともどっかで関わったっけか?

 記憶にねぇんだけど。

 まあそれよりも…だ。


「ククッ…」

「……」


 呆然としている廉を置いて、美華の元へ向かう。

 足音で気が付いたのか俺を見る美華。

 驚愕でその顔が固まった。

 …デジャブだな。


「斗真…帰ったんじゃなかったの??」

「面白そうなことが起きそうだったからな」

「もう…っ」


 膨らんだ頬を潰して、女共を見る。

 ビクリと上がる肩。

 …やっぱ見覚えねぇな。


「茶番をどーも。
 …クソ面白くなかったけどな」

「と、斗真…っ」


 目を潤ませながらすがるように見てくる。

 お前らの上目遣いとか、吐き気がする。


「――つーか誰?」

「っ…うわあああああんっ!!」


 泣き叫びながら去っていく女共。

 フン、雌豚は雌豚らしくしてりゃいいんだよ。

 ……何かケイさんのが移ったかもしんねぇ。


「斗真…」

「…嫌な思いさせて悪い。
 もう大丈夫だからな」


 頭を撫でて、抱き締めた。



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