イチ*コイ
「つーかお前は不安じゃないわけ?」
「え?…んー、不安だよ?」
あっけらかんと答える美華。
そんなあっさりと言うか!?
面白味のねぇ奴…。
「斗真の周りの人ってみんな美人だしスタイルいいから、何で斗真はあたしのこと好きになってくれたのかなって思う」
「それは…っ」
「でも、今幸せならそれでいいかなって」
力が抜けたようにへらっと笑う。
何だそれ…いつかなくなるってことか?
…ンなわけねぇだろ。
「俺は離れない。
お前のことも離さない。
わかったかばーか」
ばかのでこにデコピン一発。
痛みに悶える姿を見て笑った。
こんなに好きなのに離すかよ。
ぜってぇーありえねぇから。
キスしたくなって、顔を近付けた。
「だ、だめ!」
「…何でだよ」
「だってここ…公園だし」
赤い顔で口を抑える美華を見た。
わざわざ気にしなくていいだろ…。
人なんていねぇし…いや、いた。
犬の散歩のおっさんが。
見せつけてやればいいのに…しゃーねぇ。