イチ*コイ



 妥協して、でこに唇を落とした。


「…っ」


 それだけでさらに赤くなる顔。

 ククッ…りんごかトマトみてぇ。

 その様子を見て、少し安心した。







―――――







 それから少しずつ落ち着いてきた。

 独占欲とかはあるけどな。

 ちょうど17日が美華の誕生日だったから首輪をやった。

 ダブルリングがトップのネックレス。

 本人には言ってねぇけど確実に首輪だし、な。

 それで落ち着いてきて、周りを見る余裕が出来て…気が付いた。

 美華を見る廉の目が妙に優しいことに。


「廉、お前…美華のこと、どう思ってんの?」

「は…!?……何で?」

「なんとなく、言えよ」


 戸惑うように揺れる目。

 そして、目が合う。


「俺の女のことどう思ってるか、それだけだろ?」

「っ…」


 強く唇を噛む廉。

 怒って感情を露にすればいい。

 落ち着いてるお前なんかじゃ話になんねぇんだよ。


「俺だって…俺だって、美華ちゃんが好きなんだよっ!!」

「…お前、そんなこと」

「言えるわけないだろ!?
 斗真にやっと本気になれる子が出来て…それが美華ちゃんだなんて」



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