イチ*コイ



 それなのに今まで協力してくれてたのか…?

 ばかやろう…っ。

 なんとなくでしか気付けなかったバカな自分が悔しい。

 俺は結局、周りが見えてないんだ…。


「本当は斗真より俺のほうがずっと前から好きだったんだよ…」

「…いつから?」

「2年の5月」


 1年も前、か…。

 本気で気付かなかった。


「けど俺じゃ、美華ちゃんを幸せに出来ないから…」

「…逃げんなよ」

「は…?」


 戯れ言言いやがって。

 美華を幸せに出来ない?

 そんなこと思ってねぇんだろ?


「お前は自分に自信がねぇだけじゃねぇか」

「っ…俺は、斗真とは違うんだよ」

「そうだな、俺は悩む暇があったら行動する」


 そのせいで避けられまくったんだけど。

 でもあれのおかげで本気になったんだよな…。

 …人生ってわかんねぇもんだな。

 乃亜と付き合ってなかったらただのクラスメートで終わってたかもしんねぇんだ。


「行けよ」

「え…?」

「あいつなら図書室にいる。
 …早く行け」

「……っ、ありがとう」



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