イチ*コイ



「斗真…?」

「…お前、手ちっさいな」

「む…失礼な。普通だよー?」


 指を絡めてぎゅっと繋ぐ。

 そのまま右手を腰に回して引き寄せる。


「…キスしていいか?」


 耳元で囁く。

 それだけで赤くなる美華。


「だ、だめだって…!
 司書さんもいるんだよ…!?」

「バレねぇって」


 奥の席までは目が行かないだろ。

 つか俺は見られてもいいし?

 まあ…このままじゃ美華が可哀想か。


「こっち」

「え、斗真…?」


 分厚い本が並ぶ本棚に連れていって押し付ける。

 周りは読む奴なんていなさそうな本ばかり。


「ここなら誰も来ねぇだろ?」

「も、もう…!」

「クク…ッ」


 右手を本棚につけて左手で顔を上げさせる。

 赤くなりながらも目を瞑る美華。

 あーもー…可愛い。

 啄むような軽いキスを繰り返す。

 リップを塗ってるせいかカサついてない。

 やっぱ、誰よりも柔らかいよなぁ…。


「と、斗真…っ!」

「ん…足りねぇの?」

「ちが…っ、んう!」



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