イチ*コイ
「行かせねぇよ」
「えっ?斗真…?」
強く、強く抱きしめる。
美華は俺のだ…。
わざわざ他の男のとこなんてやるかよ。
「あの、斗真ー?……」
「…なんだよ」
頭の上に置かれた手を掴む。
冷え性だからか冷たい手。
「いや、あの…可愛いなあって思って」
「…そんなにお仕置きされたいのか?」
「えええ遠慮します…!」
ぶるぶると首を振る美華を抱き寄せて触れるだけのキスをする。
「ん…斗真?」
「…お前からもしろ」
「ええ、恥ずかしい…!」
じっと至近距離で見つめて待つ。
5分くらい経って観念したのか、赤くなりながら唇を寄せてきた。
俺のと重なった瞬間、舌を入れて深いキス――。
「と、斗真…!」
「美華ちゃんたらえっちー」
「もう…!」
赤くなりながら笑う美華を見て俺も笑う。
…好き、だなぁ。