イチ*コイ
「…さんきゅ」
中には4つのトリュフが入っていた。
少しイビツな丸のトリュフ。
不器用なのに…俺のために頑張ってくれたんだなぁ。
「ごめんね、形悪くって…。
器用だったらもっと美味しいの作れたんだけど…」
「いいって、…うれしい」
包装紙を取って口に運ぶ。
あんまり甘くなくて美味い。
「あの…ほんとはね、お弁当とか作りたいんだけど…不器用でごめんね」
「だからいいって。
その内上手くなるもんだろ?
美味いよ、これ」
「本当!?よかったぁ…。
手作りって、初めてしたから…不安で」
悲しそうな顔から笑顔に変わる。
…うん、泣きそうな顔もそそるけど、やっぱ笑顔が1番だよな。
それにしても手作り初めてとか…むちゃくちゃ嬉しいんだけど。
「…食ってみる?」
「え?」
トリュフを口に入れて美華を引き寄せる。
はだけたシーツに驚いてる内に口に侵入する舌。
「んう…」
舌と舌を絡めてトリュフを溶かす。
ドロドロに溶けたチョコを塗り込むように舌を強く吸った。