イチ*コイ



 それから隅々まで口の中を侵す。


「ふ…っ」


 弱々しく胸を叩かれて、唇を離す。


「はう…はっ、はふ…」

「美味かっただろ?」


 そう言えばゆでダコのように真っ赤になった。

 ククッ…本当、からかいがいがある奴。


「も、もう…!」

「あ…」

「…どうかしたの?」


 むくむくと膨らむ欲望。

 あー…抑えらんねぇや。

 だって俺らまだ裸だし。


「もう1回」

「え…わあっ!」


 押し倒してラインに沿って触れる。

 そして俺たちは、また1つになった。







 ぼんやりとした美華を腕枕して抱きしめる。

 さっきの余韻か、まだ赤い顔。

 あーもー…ほんと、こいつは飽きさせねぇ奴だよな。


「ん…斗真?」

「…起きたか?」

「うん…あのね、」

「ん?」


 体勢を変えて向き合う。

 美華の目はとろんとしていて、すごく幸せそうだった。

 …俺も幸せ、なんだけどな。


「こうやってね、好きな人と…その、えっちして。
 腕枕してもらうの、夢だったんだ」



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