イチ*コイ
照れてんのか、耳が赤くなっていた。
少し笑って耳の横にあるお団子を触った。
両側に作るなんて、頑張ってんなぁ。
「ねぇ、斗真」
「ん?」
「この地球上に、どれくらいの数の生物がいるのかなぁ?」
「さあな、世界の人口は約69億人って言われてるけど」
確か日本の人口は…約1億3000万人くらいだったか?
やっぱこう考えると日本の人口って少ねぇんだな。
でも世界の人口で考えたら…69億分の1人、なんだよな。
そう考えると美華とこうしてられるのはすげぇキセキに思えてきた。
「その中にさ、哺乳類とか爬虫類とか…今その海にいるかもしれないプランクトンとか入れたら。
すごい確率であたしたち、出逢ったんだよね」
「……」
「同じ地球で、同じ時代で、同じ国で、同じ県で…同じ人間として出逢って、恋に落ちて、両想いになれたんだよね」
だんだん、美華の言いたいことがわかってきた。
この地球上に何十億っている生物の中で、同じ時代で同じ国で同じ県で同じ人間として出逢ったんだ。
それはきっと、何百億とか、何千億分の1のキセキなんだろう。