イチ*コイ
―周りの変化
珍しく早めに起きた月曜。
なのに…
「結局いつもと同じになるだろーがっ!」
「ご、ごめん…っ」
恐る恐る俺を見上げるその女。
緩くパーマをかけた髪にコンタクトにした目。
…そ、これが美華。
ダークブラウンにした髪色はあんま変わんねぇけど、美華が譲らなかったから仕方ねぇ。
肩胛骨くらいの長さの髪は緩くパーマをかけて。
詰めてたネクタイは第1ボタンを空けて緩める。
スカートはせめて膝上10センチまで上げた。
今はここまで。
この状態の周りの反応を窺うのが目的。
…けどコイツ、教室入ろうとしねぇし。
「あー…!
じゃあ俺先入っから、お前も入って来いよ」
「えぇ!?そんな…っ!」
「うるせぇ」
―ガラッ
一気にドアをスライドさせて、教室に入った。
「斗真ぁおはよう!」
「おう」
「おはよぉ〜♪」
席についてドアを見る。
早く来い…。
―…カラ…ッ
今にも消えそうな音。
そんな音を響かせて、美華が入ってくる。