イチ*コイ



 ついでに遊んで帰ろうとか思わないのか。


「いーから。どうせ暇だろ?
 付き合えよ」

「え、あ…うん」


 て、さっきのヤローと同じじゃねぇかっ!

 まぁ俺はあんな不細工じゃねぇけど。

 …何か俺ナルシストみてぇ。

 俺のあとをちょこちょこ歩く美華。

 ヒヨコみたいだな…。

 なんて思って、笑った。


「?なに?」

「何でもねぇよ…ククッ」

「そっかー」


 あっさり引き下がる。

 もっと食い付いてきてもいいのに。

 口許を歪める。

 そんな気持ちを消すように、声を上げた。


「ゲーセンでも行くか」

「…ゲーセン?」

「…まさかゲーセン知らねぇとか」

「ないから!普通にわかるよっ。
 …けど、行っていいの…?」

「気にすんなよ。
 つか俺が決めたんだからもう決定事項なんだよ」

「えぇ…っ!」


 やっぱコイツ変わったよなぁ…。

 今までだったらこんなこと言えなかったんだよな。

 少しずつ内面も変わってきたってことか…。



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