イチ*コイ
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「わーっ!見て、綺麗だよーっ!!」


 そう言って海に走ってく乃亜。

 夏休みも終盤な今日、乃亜と2人で海に来た。

 はしゃぐ乃亜を見ても何とも思わない。

 ここで…乃亜と、別れる。

 ここは乃亜と付き合い始めた場所だから。

 リセットする。

 これが一応、俺の情け。


「斗真ー、入っちゃおうよ!」

「いや…いい」

「もう、ノリ悪いなぁ」


 1人で海に入っていく姿を眺めた。

 …乃亜に飽きた。

 この間、冷めたこともある。


「乃亜、話がある」

「んー?何ー?」


 太陽の光で栗色の髪が輝いた。

 シャンプーの匂い…好きだったんだっけ。

 もう忘れちまったよ。


「俺ら別れようぜ」


 乃亜にキョーミがなくなったから。

 いてもいなくても変わんない奴を隣に置こうとは思わない。

 もう乃亜はいらない。



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