イチ*コイ



「斗真どーしたー?」

「あれ…山川さん、どうかしたの?」

「…何でお前らが出てくんだよ」

「「え?」」


 気ぃ抜けてイライラ消えたし…。

 現れたのは廉と美華の2人。

 この2人とか異色だろ…。


「あー廉くんと九条ちゃんじゃーん。
 アタシ足挫いちゃって、斗真がお姫様抱っこしてくれないのー」

「え、じゃあ早く救護テント行かなきゃ…!」


 美華が相手してる内に廉を呼び寄せる。

 何でこの異色コンビか聞かねぇと気になる。


「何だよこの異色コンビ」

「異色コンビって!
 俺と美華ちゃんは救護係りなだけですー」

「救護って…あいつ図書委員じゃねぇの?」


 本好きだし。

 そんなイメージだったんだけど。

 救護係りっつーことは保健委員だよな…。


「ハゲが去年と一緒はだめっつったから、だってさ」

「ふーん…」


 そんなの守る奴いねぇだろ。

 真面目だなぁ…バカみたいに。


「あ、美華ちゃん、俺が連れてくよー!」

「あ、ごめんね…」

「ごめんじゃなくてー!」



< 75 / 238 >

この作品をシェア

pagetop