イチ*コイ



 ぽつん、と…残された俺と美華。

 時間が迫っていく。

 行かなきゃ…だよな。


「仕方ねぇ…行くぞ」

「えっ…本気で!?」

「本気も何も、今から人探せるかよ…」


 ぐいっと二の腕を掴んで歩き出す。

 大分この二の腕も肉なくなったよな…。

 微妙に肉あって気持ちいいし。

 そういや二の腕の柔らかさって胸の柔らかさに似てんだっけ?


「3ー6の3組目ーは、大森くんと山川…さん?」


 名簿と美華の胸を見る係りの奴。

 いやらしい意味じゃなくて、名前の部分な。

 確かに胸のとこだけど。

 美華の前に立つ。


「山川は足挫いたから、こいつ代理」

「あ…そうですか、」


 こいつ見て赤くなってんじゃねぇよ…うぜぇな。

 前よりかはマシになっただけじゃねぇか。

 いや…1学期に比べたら、また良くなったか?

 髪伸びたからか…?


「紐を配るので足を縛って下さーい」


 回されてきた紐を受けとる。


「おら、足出せ」

「うん…うあー、足引っ張ったらごめんね…」

「いつものことだろーが」

「あはは…」



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