イチ*コイ



「こんなとこにいたんだね、探しちゃったよー」

「…っせぇよ」

「え??」


 もう、我慢の限界だった。


「いつまでも彼女ヅラしてんじゃねぇよ、うざいしつこい」

「ッ…!」


 固まった乃亜。

 まじ邪魔なんだけど。

 日光遮ってんじゃねぇよ。

 …仕方ねぇ、場所移動するか。

 ベンチから立ち上がる。


「もう俺の前に現れんな。
 目障りなんだよ、しつこすぎ。
 きもいんだけど」


 あー、こんなこと言ったってバレたら殺されるかもな…。

 けど姉貴もしつこい奴嫌いだし、問題ないだろ。


「…なん、で…っ」


 そんな呟きも、気にしなかった。







 教室に帰る途中、掲示物を見てる美華を見付けた。

 乃亜はもう関係ねぇし…気にしなくていいだろ。

 そう思って、人前で話し掛けた。


「美華、何やってんだよ」

「あ…斗真、くん」


 目の前のプリントを見ると進路関係のやつだった。

 進路か…もう、9月も終わるしな。


「暇だから見てただけ…。
 斗真くんは?」



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