イチ*コイ
「別に…明日空いてるか?」
「え…うん、空いてるけど」
「じゃあ駅に10時な、遅れんなよ」
それだけ言って、さっさと歩き出した。
明日は9月23日、休みだ。
美華を誘った理由は…自分でもわかんねぇや。
「お姉ちゃん」
「あ…どうかした?」
「どこか行くの?」
じっとあたしを見つめる目。
女のあたしから見ても、すっごく可愛い妹。
「うん、ちょっと…」
この服が散乱した部屋見たからだろうけど…
大森くんと出掛ける、なんて言えない。
あたしたちの関係は誰にも…
あ、梢以外には言ってないから。
てゆぅか、人に言うの恥ずかしいし!
「あのさぁ…お姉ちゃん」
「ん?なぁに?」
「あたしね、彼氏にフラれちゃったぁ」
「…え」
ちょっと、あたしの可愛い妹がフラれた!?
ありえない!
こんなに可愛いのに…ッ!!
「けどね、あたしまだ好きなんだ…」
「…うん」
ほんと、どこのどいつだろ。
あたしの可愛い妹泣かすなんて…っ。
「知ってる?お姉ちゃんのクラスの――…」
「――…え、」