愛しの魔王様!!~最強ヤンキーボーイvs最弱チキンガール~
もう何これ私マジ泣きしそう!というかこの歳にしてマジでちびりそう!(ヒロイン失格の危機!)
だって何この人!何この御方!目が!目が恐いです!
あれは絶対捕食者の目!そしてあの目はきっと今、私を獲物としてとらえています!!
…なんて実況してる場合じゃなぁああい!!
おおお落ち着け和花ー取り合えずまず謝らなければ!でもどうしよう!恐怖で!恐怖で声が出ません隊長ッ!(誰?)
「……………」
「……………」
「あ、あああああのッ「田中和花」…ハィイッ!?」
長い沈黙の末、やっと、やっとチキンなりに精一杯の勇気を振り絞って出した言葉は、目の前の不良様によって渡られた。
何!?もしかして怒っていらっしゃる!?そりゃそうですよねあっはっは!あれれどうして目から水が!
…あれ?ていうか今、私の名前…?
そう思った時、いや、正確にはそんなこと頭から吹っ飛んでたんだけど、まぁとにかくその時。
目の前の不良様から、到底理解できそうもないお言葉が。