愛しの魔王様!!~最強ヤンキーボーイvs最弱チキンガール~
1.魔王様降臨!!
平凡チキンガール
窓から差し込む暖かな日差し…
頬に感じる爽やかな春風…
聴こえるのは小鳥達の囀り。
「…今日も平和だなぁ~」
一人教室でのほほんと呟くのは私、田中和花(たなかのどか)十七歳。
容姿中の中、学力中の中、運動神経中の中。
まさにどこにでもいる平々凡々、強いて言えばちょっぴりチキンな女子高生。
只今放課後、私は人を待っているところ。
ガララッ!
「ごめん和花!待った?担任の話が長くて!」
噂をすれば何とやら、私の待ち人、親友の斉藤凛(さいとうりん)がやって来た。
容姿端麗、成績優秀、運動神経も良しと三拍子そろった彼女は、生徒会なんかもやっているクールビューティーってやつである。
…ああ、今日もその輝かしい存在感に自分の影が薄れていくのを感じます。
多分周りからは「いつも斉藤さんの隣にいるなんかちっこいの」ぐらいにしか思われてないよ☆
我ながら悲しすぎるね!