愛しの魔王様!!~最強ヤンキーボーイvs最弱チキンガール~
そして教師を失神させたことなど気にもしない魔王様は、そのまま私の前の席にその長い御足を組んで昼食をとる。
一々動作が偉そう、でも一々格好良いのも確か。
奴を見るために他クラスの派手な女の子達が集まってくる。
もちろん誰も近づけないのだが、教室の外でキャーキャー黄色い声を上げているのだ。
…そのせいで不機嫌になる魔王様を目前にする私の気持ちも考えて下さいッ!
そして魔王様は昼食も豪華なのかというと実はそうでもない。大抵はコンビニのパン。
対して私はママンお手製手作り弁当。
いや、料理は得意なんだけれども朝は時間が、ね…どこかの魔王様のせいで!
お母さんの弁当は凄くおいしい。娘の私が言うのもなんだが本当においしい。
だがそんなお弁当も常に周囲にどす黒いオーラを放っている魔王様の前で落ち着いて食べられるわけがない。
一応凛ちゃんも隣にいるのだが、
「なんでこの私がそんなめんどくさい事に関わらなきゃいけないのよ」
という冷たすぎるお言葉により昼食時には話せない。