愛しの魔王様!!~最強ヤンキーボーイvs最弱チキンガール~
「何急にハイになってんの。
まさか奴が遅くなるのを良いことに先に帰ってしまおうなんて考えてるんじゃないでしょうね」
ギック―――ンッ!!
「ななな何言ってんの凛ちゃん!
私別に今がチャンスだとか思ってないから!
このまま逃げ切って今まであの御方がいたせいで出来なかったことを今日やってしまおうなんて思ってないから!!」
「自爆してるから。
あとこれ待ってろって書いてあるじゃない、逆らったらそれこそあんた大変なことになるわよ」
…………あ。
それもそうだ。あの御方の命令に逆らうなんて、それこそ明日の朝日を拝めないかも知れない。
う~ん………
…だけどッ!それでも私には成し遂げなければならないことがあるんです!!
立ち上がれ!田中和花!
お前は村人Aから勇者へと進化するんだぁぁああ!(おバカ)
「…ってことで!凛ちゃん、さようなら!私は勇者になってみせるわッ!」
「何言ってんの」
「ア●ロいっきまぁああす!!!」
「……………。」
そんな我ながら馬鹿としか言いようがないようなことを叫び、凛ちゃんに白い目で見られながら、私は教室を飛び出した。
…後にこの選択が、最悪の事態を呼ぶことになるとは気づかずに。