愛しの魔王様!!~最強ヤンキーボーイvs最弱チキンガール~
…いや、おかしいって言われましても。
私は凛ちゃんと違って友達が何十人もいるようなタイプじゃないのよ、
どっちかってーと数人と付き合って友情を深めていくタイプなんざます(ざます?)
それに不良だなんて、ビビリでチキンの私には一切縁のない人種。
もし何か関わってしまうとしたら、カツアゲされる時ぐらいじゃないですかね?いや、されたことないしされたくないけど!!
「あーあと噂ではね、ここらの裏でトップに立ってる、【魔王】って呼ばれてる奴が通ってるらしいわよ。
今高二だったかな?私達と同い年だよね」
「…魔王って!!どんだけ!?」
「奴の行ってきた歴史に残る悪行がまさに魔王のなせる技なのよ。
確か今までここら一帯の頂点に立ってた大人のチームを、当時中二、たった一人で瞬殺。
皆殺し状態でヤバかったんだって」
「しゅしゅしゅしゅ瞬殺ぅう!?うっわ絶対関わりたくない!!」
何!?世の中にはそんな人間がいるんですか!?
てかそこまでになるともう本当に人間なんですか!?いや、だから魔王なのか。
「でも見た目は最高に格好いいらしいわよ、それこそ人間離れしてるんだって。
見てみたいわよね~」
「いやいやいやいや、絶対見たくない。
そんな恐ろしい人見たら私なんてその場で失神するよ、うん確実に。超自信ある!」
「…どんな自信よ」
そんな他愛もない?話をしていると、私の家に到着。
いつも通り軽く凛ちゃんに挨拶して別れる。
この時私の脳内ではもう魔王の話なんて吹っ飛んでて。
まさか奴に、あの恐怖の大魔王様にこれからの人生を無茶苦茶にされるだなんて夢にも思っていなかった。