愛しの魔王様!!~最強ヤンキーボーイvs最弱チキンガール~
「…ッ!!」
恐怖に足が震えながらも、今更だが逃げようと試みる私。
だってこれ…ボコられるッ!?集団リンチッ!?
イヤァァアア暴力反対平和賛成ッ!(混乱)
普段は運動神経も平均ぴったりの私だが、逃げ足だけは別。
自分で言うのもあれだが、(逃げ足だけなら)異常に速いのだよッ!!
まさかこのどう見ても凡人な私がこんなスピードを出すなんて誰も思うまいッ!
これぞチキンの底力ァァアアアッ!!
…なんて調子に乗ったから罰が当たったのか。
「あれれ~和花、どこに行くのかな?」
私のすぐ近く、というか真後ろから聞こえる…ふざけているようでどこか怒気を含んだ声。
「びっくりした、和花以外と足速かったんだね?」
………へ?
驚きに目を見開いて後ろを振り返る。