愛しの魔王様!!~最強ヤンキーボーイvs最弱チキンガール~
「俺から逃げられると思った?」
ゾッとするような冷たい瞳、
それとは正反対の燃えるような赤髪。
「大丈夫、和花が大人しくしてるなら、俺も痛いことはしないよ?
ただちょっと試してみたいんだ」
人形みたいに整った顔には、
禍々しいほどの美しい微笑みが浮かべられていて。
「大切な和花に手ぇ出されたら、
あいつはどうなっちゃうんだろうね…?」
そう耳元で囁いた瞬間、私を引き止めた張本人のレッドさんは…
私の首筋を、ゆっくりと舐めた。
呆然と固まりながら、働かない頭で思ったこと。
嗚呼、あの御方が魔王様なら、目の前にいるこの御方は…
生々しい鮮血に染め上げられた、美しく微笑む赤い悪魔。