愛しの魔王様!!~最強ヤンキーボーイvs最弱チキンガール~
「つーか…子猫って。
俺が恐くて逃げ出したのかと思った」
…いや、もちろんそれもありますよ!?
魔王様のお言葉に瞬時にそう思ったが、
ほっとしたように溜息をつき、どこか安心したように耳元で囁く、
目の前の御方相手にそんなこと言えるはずもなく。
…というか、何だ。
私はあることに気づいてしまいました。
さっきから私を抱く腕、それは確かにぎゅっと力が込められていてちょっときつい。
…だけど、さっきレッドさんを殴った時のような獰猛さは微塵も感じられなくて。
それどころかその腕は、まるで大切な壊れ物を扱うかのように優しくて。