愛しの魔王様!!~最強ヤンキーボーイvs最弱チキンガール~


 ウ゛ウウウウ…


突然、その場に無機質なバイブ音が鳴り響いた。


「ケータイ?誰の~?」


「………俺だ」


「着メロなしとかどんだけッ!!」


「魔王らしいっちゃらしいけど…」


周りに文句を言われながらも、それを完璧無視で携帯を開く龍雅。


「………ッ!」


画面を見た瞬間、その普段ポーカーフェイスにも程がある秀麗な顔に驚きが走った。


「ッ!?魔王が驚いてる!何事!?」


「あ~わかった☆龍にそんな顔させるってことは…愛しの和花姫からでしょ~?」


そんな龍雅の様子に更に驚く4人と、見透かしたようにニヤニヤ笑う赤松。


「…るせぇな」


そう言った龍雅の顔は普通の人は気がつかないほど微かだが嬉しそうに微笑んでいて、


何だかんだいつも龍雅と一緒にいる(正しくは付きまとっている)5人には図星だということが丸分かりだった。


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