プリンス♂×プリンス♀【短】
「し、知ってます・・・あの、話って――」
ずっと遠くで見てただけだったから・・・
こんな近くに五十嵐先輩がいるなんてことが信じられない。
緊張と恥ずかしさから、しどろもどろになるあたし。
「話って何ですか」そう言おうとしたら、スッとあたしの前に来た先輩がそれを遮って口を開いた。
「―――僕と、付き合わない?」
・・・今、なんて?
彼の言葉に、思考が一瞬、停止する。
「・・・は?」
ゆっくりと動き出した思考。
ワンテンポ遅れてあたしの口からでた言葉に
彼は「嫌かな?」と残念そうに笑う。
「あ、いえっ。あの・・嫌、とかじゃ、なくて・・・」