プリンス♂×プリンス♀【短】
「見てるだけでいいと思ってたんだけどね。
ほら、僕、今年で卒業だから」
黙っているあたしに向き直って、彼は言う。
「――知ってる?この桜の木の下で告白すると、必ず成功するらしいよ」
悪戯っぽく笑ってみせる先輩。
そんなことを言われたらあたしが断れない、とでも思っているんだろうか。
「あの、先輩って、男が好きとか・・・
そういうのじゃないですよね・・・?」
「あははっ。どうして?」
「え、だって・・・」
だって、どう考えたって、こんな人があたしみたいな奴なんか・・・・
「そんなことあるわけないよ。
だって君、女の子でしょ?」
笑顔で言う彼の言葉に、
心臓がドクンと飛び跳ねた。