プリンス♂×プリンス♀【短】



空を仰いだ先輩が、あたしに目を向ける。



「例えば――」



そう言って空いているほうの手を伸ばした先輩は、
あたしの髪を手に取った。



「今こうやって、髪を下ろしてるとことか」



立ち止まった彼との距離があまりにも近くて、
またしても顔が熱くなるのを感じる。



「そうやって、すぐに赤くなるとことかね」



クスクスと笑って歩き出した彼に手を引かれて


やっぱり好きだな、なんて

ガラにもないことを思ってしまう。







< 33 / 51 >

この作品をシェア

pagetop