プリンス♂×プリンス♀【短】



「―――望夢」



聞き覚えのある声に、顔を上げる。


あたしに夢を見せてくれた、

偽りでも、幸せな時間をくれた、


その声の主。



「・・・っ何か、用ですか?」



冷たく言い放ったあたしに、彼は静かに歩み寄る。



「話があるんだ。聞いてくれる?」


「聞きません」



きっぱりとそう言うと、彼はわざとらしく
「困ったな」と肩をすくめた。







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