プリンス♂×プリンス♀【短】



「・・・確かに、あいつらの言ったとおり、最初はバツゲームで・・面白半分だったんだ」



改めて彼の口から聞かされた事実に、
視界がにじむ。



「“王子と王子が付き合った”みたいに、
ちょっと学校を騒がせてやろうと思って・・・」


「よかったですね。見事に大騒ぎだったじゃないですか」


「だけど――」


「――楽しかったですか!?そりゃそうですよね」


「望夢っ・・」


「――あたしみたいに男みたいな奴、そういませんもんね。
思わせぶりなことばっか言って・・・
見てるだけで面白かったんじゃないんですか!?」



何かを言おうとする彼なんて無視して、
次々と溢れ出してくる言葉と涙。





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