プリンス♂×プリンス♀【短】



「・・・酷いことしたって、悪かったって思ってる。

今まで、女なんかめんどくせぇだけだし、どうでもいいって思ってた。

何もしなくてもあっちから勝手に寄ってくるし、
猫かぶって、適当にあしらっとけばいいって・・・」



突然変わった、先輩の口調。

押さえつけられたままのあたしは、
戸惑いながらも黙って彼の言葉に耳を傾ける。



「―――でも、バレンタインの日、お前に泣かれて

・・・こんな風に泣かせたくない、泣かせちゃいけないって思ったんだ」


「そ、そんなのっ――」



今さら言われたって、信じられない。

もう傷つきたくない。



そう思ったあたしが口を開いた、その瞬間。

また勢いよく腕を引かれて、
今度は彼に抱きしめられる形になってしまった。







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