百地外伝~夢と希望
「なんで、藤林さんが学年一位なんですか?」
ユタが全くもって信じられないって顔で翔に詰め寄っていた。
「で、百地君が二位。僕は不覚にも……五位。
ってことは、藤林さんが、僕のテストをカンニングしたってことは無い訳で……
でも、君、授業中も寝てること多いし、ノートだって僕が見せて上げて……」
期末試験が終わって、二日後、主要五教科の合計得点が順位別に張り出された。
ユタは以外な結果に混乱している様子。
あんた、そんなに自信があったの?
「俺が一位で何か悪い?」
翔は、そんなことどうでもいいって顔で真面目に取り合わない。
「ユタ、混乱するのは分かるけどさ。
仕方ないよ、翔は特別だから」
「はぁ~ 特別って、何ですか?」
「翔は、一度読んだら全部頭に記憶されちゃうんだよ。
おまけに、一を理解して十を知る、天才なんだ」