百地外伝~夢と希望
「試験なんて時の運、って言うじゃない。
ユタ、あんたには次がある。
まだ四つも上に上がれるじゃない。
翔はこの先、落ちることはあっても、上がることはないんだよ」
って、これ、慰めになってるかな?
「そうですね、まあ、終わったことだし。
きっぱり気持ち切り替えて、これから心置きなく小説の執筆に専念しないと!」
ユタは少し落ち着きを取り戻し、決意したように拳を握った。
「ユタ、この後は夏休みだよ~
あんた、部屋に篭って書き物ですかぁ」
「って、夢子、十月の学園祭には文芸部の同人誌一号、出す予定なんですよ!
分かってる?」
ユタは超真面目な顔で今度はあたしに詰め寄った。
あんたって、どんだけ突っ込みたがりなのよ?