百地外伝~夢と希望


「あたしはさ、今まで書きためた詩にちょっと手加えるだけだし。

あんたみたいに新作小説載せようなんて野心、毛頭ないよ」


って、あたしだってそんな突っ込み、真面目に取り合わないよ。


「へぇ、お前、詩なんて書くんだ」


帰り仕度をしていた百地が顔を上げた。


しまった、百地に聞かれた!


「へへ……、まぁ……、ちょっとね。

一応、文芸部だし。

でも、百地君は詩なんて興味ないでしょ?」


興味ないって、言ってよ!

読まれたら、恥ずかしいじゃない……


「お前の書いた詩なら、読んでみたい、かな」


「は?」


って、意味わかんないけど、顔がどんどん赤くなるのが、自分でもわかった。
< 103 / 328 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop