百地外伝~夢と希望


「ユタ、どうする? ホントに行くの?」


「僕は勿論行きますとも! 絶対に!

だから夢子も藤林さん、ちゃんと誘って下さいね!」


翔がこんな催しに喜んで参加するとは思えなかった。

第一、紫苑先輩とは初対面だし。

そこんとこ、ユタはどうするつもりなんだろう?


「あたしが誘ったって、来ないもんは来ないよ。引きずってく訳にはいかないんだしさ」


ユタ、あんたには悪いけど……

あたしはため息混じりに呟いた。


検討会を終えて屋上の部室を後にした。

珍しく、紫苑先輩も一緒。

扇風機をフル稼働させていても、屋上の部室はこの季節めっぽう暑い。

紫苑先輩が避暑に逃げたくなる気持ちも、わからないでもないかな。
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