百地外伝~夢と希望
「ねぇ、行くのは熱海なんだけど……」
ユタの不機嫌な顔があたしを覗き込んだ。
「わかってるって、先ずは熱海でしょ。わかってるって」
「紫苑先輩、ってことで藤林さんと百地君、二人追加でもいいですか?」
「うん、なんか良くわかんないけど、なんか色々ありそうで、面白くなりそう。
まぁ、部屋は余裕あるしさ、みんなで楽しくやろうよ」
にっこり笑った紫苑先輩は、どこから見てもお嬢様で、なんか周りを囲むあたし達が霞んで見える。
なんで紫苑先輩はあたし達とそんなに合宿に行きたいんだろ、それが不思議。
「良かった、これで合宿成立ですね」
ユタの満足気な顔が小憎らしい。
あんたの押しの強さは天下一品だよ。
お見事!