百地外伝~夢と希望
「夢子、もうすぐ到着だって」
ユタの声で我に返った。
「夢子、顔色悪い、大丈夫?」
「あっ、うん、ちょっと車に酔ったみたい」
いつしか車は海沿いの道を離れ、小さな横道を曲がると、グングンと山の上へと上っていた。
「到着!」
スライドドアを大きく開けて、一番乗りで車から降りた紫苑先輩が大きな声で宣言した。
続いて降りてきたユタが更に大きな声で歓声を上げた。
「わぁ、ここが先輩の別荘ですか、凄い!」