百地外伝~夢と希望
車から降りて目に入ったのは、二階建ての大きな洋館だった。
道から少し上がったところに建つ建物までは緩やかな坂になっていて、前庭の部分には綺麗に芝生が植えられていた。
一階のテラスにはテーブルが設えてあり、庭の一角の煉瓦を積み上げた炉には、バーベキューの用意がしてあった。
別荘のあまりの豪華さにみとれていると、中から人が出てきた。
半そでのワイシャツに可愛らしい小さな蝶ネクタイを付けた、初老の紳士。
「先生、お早いお着きで。
お待ちしておりました。
さっ、どうぞ中へ入ってお寛ぎ下さい。
荷物はわたしがお運びしますので」
紳士は深々とおじぎをすると、みんなを別荘へと誘った。