百地外伝~夢と希望
「帰りのホームルームだぁ~ 席に着けぇ」
程なく教室に入って来た鈴木先生の掛け声で、全員が席に着いた。
あ、勿論あたしもね。
「明日は、部活説明会と席替えだ。
あと、教科書配るぞぉ~
じゃ、解散!」
みんなが思い思いに席を立ち、教室は再び混乱の渦に包まれた。
「かけるぅ~」
泣きそうな声で翔を呼んだ。
「夢子、帰るぞっ」
翔に手を掴まれて歩き出す。
「翔、今日翔んち寄っていい?」
「あぁ、クラブもまだ無いし、親父が暇そうなら『百地』のこと聞いてみっか?」
「うん」
なんか、ちょっぴり安心して繋いだ手を大きく振って歩いてた。