百地外伝~夢と希望
「お前ら、どんだけ仲いいんだぁ」
不意を突かれ、後ろから頭をグシャっと撫でられた。
その声は、百地?
「夢子に何すんだよ!」
翔がすかさず、その手を払いのけようとしたけど、時すでに遅し。
「藤林、俺も陸上部入るから、よろしくなっ!」
右手をちょこっと挙げ、百地は足早にあたし達を追い越していった。
何で、翔が陸上部入るって知ってんのさぁ?
ほんと、訳分かんないよ。
「夢子、あれが百地?」
「うん」
「なんか根来の奴っぽい……」
「そう?」
「あぁ、なんか血が騒ぐ……」
翔と繋いだ手に、グッと力が込められた。