百地外伝~夢と希望
と、突然、足元がフワッと崩れた。
何が起こったのかわからない。
あたしの身体は、足元から引きずられるように水の中へと沈んでいった。
そう言えば、紫苑先輩が急に深くなるって言ってたっけ……
なんて、苦しい息のなか、浮かんだのはそんな忠告で。
あまりの苦しさに、浮き輪を掴んだ手が離れた。
あたし、このまま溺れちゃうのかな……
『百地……助けて……』
あたしは無意識のうちに百地の名をを呼んでいた。
翔じゃなくて百地の名を。