百地外伝~夢と希望
「大丈夫、水もそんなに飲んでないと思うし」
百地の手があたしの頭をくしゃっと撫でた。
「夢子、レモネード飲んで」
紫苑先輩が差し出してくれたレモネードを口に含んだ。
塩水でカラカラになっていた口の中が一気に潤う。
「あぁ、美味しい、紫苑先輩」
「良かった……
夢子が落ち着いたら、上にあがりましょう」
紫苑先輩は、安心したように優しく微笑むと、みんなにもレモネードを勧めた。
「これは我が家のスペシャルレモネードなの。
アカシアの蜂蜜入り。
口当たりを爽やかにするためにレモンとライムが一対一。
滋養満点、ミネラル補給で言うこと無しよ」
「紫苑先輩ったら、なんかコマーシャルみたい……」
あたし思わず笑ってた。
「あっ、夢子が笑った」
ユタが安堵の声を上げた。